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「設備」と「残置物」は何が違う?故障時の対応を左右する重要ポイント

こんにちは。ピタットハウス神宮南店のよっしーです。

前回は、賃貸物件の申込みから入居までの流れについてご紹介しました。

第6回は、エアコン・照明・ガスコンロなどの「設備」と「残置物」の違いについて解説します。

内見したときから部屋に付いているものでも、すべてが貸主による修理や交換の対象になるとは限りません。

「最初から付いていたエアコンが故障したのに、修理してもらえない」
「不要な照明を処分したら、退去時に問題になった」

こうした行き違いを防ぐために、契約前にぜひ知っておきたいポイントです。

「設備」とは?

賃貸物件における設備とは、一般的に、その部屋を使用するための設備として貸主が設置し、契約の対象に含めているものを指します。

代表的な例は次のとおりです。

  • エアコン
  • 給湯器
  • キッチン
  • 浴槽やシャワー
  • 洗面台
  • トイレ
  • インターホン
  • 備え付けの照明
  • ガスコンロやIHクッキングヒーター
  • 温水洗浄便座

ただし、同じエアコンや照明であっても、物件によって設備として扱われるとは限りません。

何が設備に含まれるかは、物件資料だけでなく、重要事項説明書、賃貸借契約書、設備表などで確認する必要があります。

「残置物」とは?

不動産実務では、以前の入居者などが室内に残し、貸主がそのまま使用することを認めている物を「残置物」と表現することがあります。

例えば、次のようなものです。

  • 前の入居者が設置したエアコン
  • 照明器具
  • ガスコンロ
  • 温水洗浄便座
  • 食器棚
  • カーテン
  • 冷蔵庫や洗濯機

残置物は、契約上の設備とは区別され、故障しても貸主が修理・交換する義務を負わないという条件になっている場合があります。

なお、法務省などの公的資料でいう「残置物」は、借主が亡くなった後に室内へ残された家財などを指すことがあります。本記事では、不動産募集の現場で使われる「前の入居者などが置いていった物」という意味で説明します。両者は使われる場面が異なるため注意が必要です。

設備と残置物の違い

一般的な違いを整理すると、次のようになります。

確認項目設備残置物
契約上の位置付け賃貸物件の設備に含まれる設備に含まれない場合がある
故障時の修理貸主側が対応する場合が多い借主負担または修理対象外の場合がある
使用できない場合契約内容に応じて対応を求められる現状のまま使用する条件の場合がある
撤去・交換原則として事前確認が必要残置物でも無断処分は避ける
退去時原則として物件に残す契約条件により異なる

これはあくまで一般的な整理です。実際の取り扱いは契約内容や故障原因などによって変わります。

ポイント① 物件情報の「エアコン付き」だけでは判断できません

物件情報サイトにエアコンの写真が掲載されていたり、設備欄にエアコンに関する表示があったりしても、その写真だけで契約上の扱いを確定できるとは限りません。

募集図面には設備と残置物の区別が小さく記載されている場合があります。また、掲載後に設備の扱いが変更されている可能性もあります。

内見時には、担当者へ次のように質問してみましょう。

  • 「このエアコンは契約上の設備ですか?」
  • 「故障した場合は誰が修理しますか?」
  • 「修理できない場合は交換してもらえますか?」
  • 「不要な場合は撤去できますか?」
  • 「退去するときは残す必要がありますか?」

口頭だけでなく、契約書類にどのように記載されるかも確認することが重要です。

設備が故障したら、必ず貸主負担になる?

設備として契約に含まれているものが、通常の使用中に故障した場合は、貸主側が修理を手配することが一般的です。

一方、借主の不注意や誤った使用方法が原因の場合は、借主負担になる可能性があります。

例えば、次のようなケースです。

  • 物をぶつけて設備を破損した
  • 誤った手入れによって故障させた
  • 異常を放置して被害を拡大させた
  • 禁止されている使い方をした
  • 借主が設置した器具が原因で故障した

契約内容や故障原因によって負担が変わるため、「設備だから必ず無料」とは限りません。

国土交通省の賃貸住宅標準契約書は、合理的な契約関係を築くためのモデルとして公開されていますが、使用が義務付けられているわけではありません。実際には、それぞれの物件で締結した契約書が判断の基本になります。

ポイント② 故障の連絡では「動かない」以外の情報が重要です

管理会社へ「エアコンが壊れました」とだけ伝えると、状況確認に時間がかかることがあります。

連絡する際は、次の情報をまとめておくとスムーズです。

  • いつから不具合が出ているか
  • まったく動かないのか、途中で止まるのか
  • 異音・異臭・水漏れがあるか
  • エラーコードが表示されているか
  • メーカー名と型番
  • リモコンの電池を交換したか
  • ブレーカーやコンセントを確認したか
  • 状況が分かる写真や動画

エアコンや給湯器の型番は、本体の側面や下部などに記載されていることがあります。

管理会社がメーカーや修理業者へ連絡するときにも必要になるため、写真を撮って送ると手配が早く進む場合があります。

残置物が故障した場合はどうなる?

残置物について「故障時の修理・交換は行わない」と契約書などに記載されている場合、借主自身で修理や交換を行うことがあります。

ただし、ここで注意したいのは、残置物だからといって自由に処分できるとは限らないことです。

残置物の所有者や、退去時の取り扱いが明確になっていない場合もあります。故障したものを無断で廃棄すると、後から返還や原状回復を求められる可能性があります。

まず管理会社へ連絡し、次の内容を書面やメールで確認しましょう。

  • 修理するか、撤去するか
  • 撤去費用を誰が負担するか
  • 処分してよいか
  • 新しいものを設置してよいか
  • 新しく設置したものを退去時に撤去するか
  • 交換後の設備の所有者は誰になるか

ポイント③ 「借主が新品へ交換したら設備になる」とは限りません

残置物のエアコンを借主の費用で新品へ交換しても、自動的に物件の設備になるわけではありません。

反対に、新しく設置したエアコンを退去時に残してよいとも限りません。貸主から撤去と原状回復を求められる可能性もあります。

設置工事では、壁への穴開け、専用コンセント、電圧の変更、室外機の設置場所なども関係します。

交換前に、少なくとも次の点について承諾を得ましょう。

  • 既存品を撤去・処分してよいか
  • 新しい機器を設置してよいか
  • 壁や配線の工事をしてよいか
  • 退去時に撤去するか、残してよいか
  • 原状回復が必要か
  • 所有権をどのように扱うか

管理会社から承諾を得るときは、電話だけでなく、メールなど記録に残る方法がおすすめです。

設備でも「すぐに新品交換」とは限りません

設備が故障すると、すぐ新品へ交換してもらえると思われることがあります。

しかし、実際には次のような順番で対応することが一般的です。

  1. 借主から不具合の状況を確認する
  2. 管理会社が契約上の設備か確認する
  3. 貸主へ報告し、対応方針を確認する
  4. 修理業者が点検する
  5. 修理できるか、交換が必要か判断する
  6. 部品や機器を手配する
  7. 借主と訪問日時を調整する

繁忙期や部品不足、貸主への確認、修理業者との日程調整などにより、時間がかかる場合があります。

水漏れや焦げた臭いなど緊急性がある場合は、使用を中止し、速やかに管理会社や指定の緊急窓口へ連絡してください。

ポイント④ 自分で業者を呼ぶ前に連絡が必要です

設備が故障したからといって、借主が先に修理業者を手配すると、その費用を貸主へ請求できない場合があります。

管理会社や貸主が指定業者を利用していることもあるためです。

緊急時を除き、次の順番で対応しましょう。

  1. 契約書や入居案内で連絡先を確認する
  2. 管理会社や貸主へ状況を報告する
  3. 応急対応の指示を受ける
  4. 修理業者の手配方法を確認する
  5. 費用負担を確認してから作業を依頼する

夜間や定休日には、24時間サポートや火災保険の付帯サービスを利用できる場合があります。入居時に連絡先をスマートフォンへ登録しておくと安心です。

修理中に設備を使えない場合、家賃はどうなる?

設備の不具合によって部屋の一部が使用できなくなった場合、状況によっては賃料の取り扱いが問題になることがあります。

ただし、「エアコンが故障したら必ず家賃が一定額下がる」という一律のルールで処理されるわけではありません。

次のような事情を踏まえて個別に確認されます。

  • 何が使用できないか
  • 生活への影響がどの程度か
  • 使用できなかった期間
  • 故障の原因
  • 借主からいつ連絡があったか
  • 修理までの対応状況
  • 契約書の内容

不具合を発見したら放置せず、早めに管理会社へ連絡し、発生日や状況を記録しておくことが大切です。

国土交通省の相談対応事例集も、賃貸借実務のトラブルを入居前・入居中・退去時に分けて整理しています。ただし、掲載内容は対応例であり、個々の契約に対する法的判断そのものではありません。

家電付き物件では、さらに細かい確認が必要

家具・家電付き物件では、室内にある物の数が多いため、設備と残置物の区別が特に重要です。

契約前に次の点を確認しましょう。

  • 何が契約上の設備か
  • 故障時の連絡先
  • 修理・交換費用の負担
  • 消耗品の交換負担
  • 設備の型番や製造年
  • 退去時に返却する物
  • 入居時点の傷や不具合
  • 取扱説明書や付属品の有無

リモコンや棚板、排水ホースなどの付属品も、退去時に不足が問題となることがあります。入居時に確認し、写真を残しておくと安心です。

「設備表」は退去時にも役立ちます

設備表は、入居中の故障対応だけでなく、退去時にも重要です。

例えば、契約時から残置物だった照明器具について、退去時に借主が設置したものと誤認されることがあります。

次の資料は、契約終了まで保管しておきましょう。

  • 賃貸借契約書
  • 重要事項説明書
  • 設備表
  • 入居時チェックリスト
  • 室内の写真や動画
  • 修理や交換に関するメール
  • 管理会社からの承諾書
  • 鍵や付属品の受領書

契約前の確認チェックリスト

内見や契約の際は、室内にある物について次の点を確認しましょう。

  • 契約上の設備か、残置物か
  • 正常に使用できるか
  • 故障時は誰が修理するか
  • 修理できない場合は交換されるか
  • 不要な場合は撤去できるか
  • 撤去費用は誰が負担するか
  • 借主が交換してよいか
  • 退去時に撤去する必要があるか
  • 消耗品は誰が交換するか
  • 契約書類に取り扱いが記載されているか

見た目ではなく、契約書類で確認しましょう

設備と残置物は、見た目だけでは区別できません。

新しいエアコンが残置物として扱われることもあれば、古いエアコンが契約上の設備になっていることもあります。

大切なのは、「最初から部屋にあったか」ではなく、「契約上どのように扱われているか」です。

ピタットハウス神宮南店では、室内にある設備の取り扱いや、故障した場合の連絡先についても契約前に分かりやすくご案内しています。

「このエアコンは修理してもらえる?」「不要な照明を外してもよい?」といった疑問も、入居前にお気軽にお尋ねください。

次回予告

次回は「賃貸の更新時に必要な費用とは?」をテーマに、更新料・更新事務手数料・保証会社の更新料・火災保険料など、更新時期に重なりやすい費用をご紹介します。

「家賃1か月分だけ用意すればよいとは限らない」という、不動産会社だから分かる更新手続きの注意点も解説します。

次回もお楽しみに~♪

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