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退去通知を出す前に確認したいこと|余分な家賃や手続きの行き違いを防ぐポイント

こんにちは。ピタットハウス神宮南店のよっしーです。

前回は、賃貸借契約の更新時に必要となる費用についてご紹介しました。

第8回のテーマは「退去通知」です。

新居が見つかったら、現在の住まいの管理会社や貸主へ退去の意思を伝えます。しかし、引っ越し日だけを先に決めてしまうと、余分な家賃が発生したり、希望日に契約を終了できなかったりすることがあります。

今回は、退去通知を提出する前に確認したいポイントと、実際の退去手続きで起こりやすい行き違いをご紹介します。

最初に「解約予告期間」を確認

解約予告期間とは、退去日の何日前までに解約を申し出る必要があるかを定めた期間です。

契約によって、次のような条件があります。

  • 退去日の1か月前まで
  • 退去日の2か月前まで
  • 退去日の30日前まで
  • 管理会社が通知を受け付けた日から起算
  • 法人契約では3か月前まで

国土交通省の賃貸住宅標準契約書では、借主が少なくとも30日前に解約を申し入れるというモデルが示されています。ただし、標準契約書はあくまでひな形であり、実際には締結した契約書の定めが基本となります。国土交通省「賃貸住宅標準契約書」

「1か月前」と「30日前」は、同じとは限りません。月によって日数が異なるため、契約書の表現を正確に確認しましょう。

連絡した日が、そのまま受付日になるとは限りません

退去の意思を電話で伝えただけでは、正式な解約通知として受け付けられない場合があります。

契約で指定されている方法には、次のようなものがあります。

  • 所定の解約通知書を郵送する
  • 管理会社の窓口へ提出する
  • 専用Webフォームから申請する
  • 入居者アプリから手続きする
  • 指定されたメールアドレスへ送信する

郵送の場合、「消印日」ではなく「管理会社への到着日」が受付日になる契約もあります。

Webフォームの場合も、送信後に受付完了メールが届いて初めて手続きが完了することがあります。送信画面や受付番号、確認メールは保存しておきましょう。

退去日・引っ越し日・明渡し日は別のもの

退去手続きでは、似た意味の言葉がいくつも出てきます。

引っ越し日

荷物を新居へ運ぶ日です。

契約終了日

賃貸借契約が終了する日です。通常は、この日まで家賃が発生します。

明渡し日

荷物や私物をすべて搬出し、借主が部屋を使用できない状態にして、鍵を返却する日です。

退去立会日

管理会社などと室内の状態を確認する日です。明渡し日と同じ場合もあれば、異なる場合もあります。

例えば、3月20日に荷物を搬出しても、契約終了日が3月31日であれば、原則として契約条件に基づき3月31日までの家賃が発生します。

反対に、契約終了日まで荷物が残っていたり、鍵を返していなかったりすると、明渡しが完了していないと判断される可能性があります。

国土交通省の標準契約書でも、借主は契約終了日までに物件を明け渡し、明渡し日を事前に貸主へ通知するという構成になっています。国土交通省「賃貸住宅標準契約書」

家賃が日割りになるとは限りません

退去月の家賃について、「住んだ日数分だけ支払えばよい」と考える方もいらっしゃいます。

国土交通省の相談対応事例集では、原則として日割り計算としつつ、日割りを行わない特約がある場合は、契約内容に従って月単位で精算されると解説されています。国土交通省「民間賃貸住宅に関する相談対応事例集」

契約には、次のような精算方法があります。

  • 契約終了日までの日割り
  • 30日を基準とした日割り
  • 退去月は日割り精算をしない
  • 月の途中で退去しても1か月分を支払う
  • いったん1か月分を支払い、後日精算する

月初に退去すれば家賃が安くなるとは限りません。退去日を決める前に、契約書の「解約」「賃料」「特約」の欄を確認しましょう。

新居の契約開始日と並べて考える

現在の住まいの契約終了日だけでなく、新居の契約開始日も確認します。

例えば、現在の部屋の解約予告が2か月前で、新居はすぐに家賃が発生する条件の場合、新旧両方の家賃を支払う期間が長くなることがあります。

日程を考える際は、次の順番で整理すると分かりやすくなります。

  1. 現在の住まいの解約予告期間を確認する
  2. 新居の契約開始可能日を確認する
  3. 引っ越し日を決める
  4. 荷物をすべて搬出できる日を確認する
  5. 鍵の返却日と退去立会日を調整する

新居の入居審査が終わる前に現在の部屋を解約すると、万一審査が承認されなかった場合に、住まいを失うおそれがあります。

一方、新居の契約が確定してから解約すると、家賃が重なる期間が生じることもあります。このバランスは、不動産会社へ早めに相談したいポイントです。

一度提出した解約通知は取り消せないことがある

解約通知を提出した後に、「やはり住み続けたい」と考えることもあるかもしれません。

しかし、一度受理された解約通知を借主の都合だけで撤回できるとは限りません。

通知を受けた貸主や管理会社は、次の入居者の募集を開始します。すでに新しい入居者から申込みが入っていれば、契約の継続が難しくなる可能性があります。

次の点が決まっていない段階で、急いで解約通知を出すのは慎重に考えましょう。

  • 新居の入居審査が承認されているか
  • 新居の契約条件を確認したか
  • 新居へ入居できる日が確定しているか
  • 引っ越しできる見込みがあるか
  • 同居する家族などの合意が取れているか

事情により撤回したい場合は、できるだけ早く管理会社へ相談してください。

更新時期と退去時期が重なる場合

契約更新の直前に退去する場合は、更新料や更新事務手数料の取り扱いにも注意が必要です。

例えば、契約満了日の翌日に契約終了となると、形式上は更新を迎え、更新費用が発生する可能性があります。

確認したいのは、次の点です。

  • 更新日と契約終了日の関係
  • 更新料が発生する基準日
  • 更新手続き前に必要な解約通知期限
  • 更新後すぐに退去した場合の返金条件
  • 保証会社や火災保険の更新手続き
  • 自動更新の条件

「更新書類を返送していないから、更新されていない」とは限りません。契約書に自動更新の定めがある場合は、書類を返送しなくても契約上の更新が成立することがあります。

更新案内を無視するのではなく、退去を検討していることを早めに管理会社へ伝えましょう。

短期解約違約金も確認

入居から一定期間内に退去すると、短期解約違約金が発生する契約があります。

例えば、次のような条件です。

  • 1年未満の解約で賃料2か月分
  • 2年未満の解約で賃料1か月分
  • フリーレント期間中や所定期間内の解約で免除分を支払う

解約予告期間を守っていても、短期解約違約金が別に発生することがあります。

契約書の特約欄に記載されている場合が多いため、入居日と契約終了予定日を照らし合わせて確認しましょう。

退去通知の提出先を間違えない

日常の連絡先と解約通知の提出先が同じとは限りません。

次のようなケースがあります。

  • 修理連絡はコールセンター、解約通知は管理会社
  • 家賃の支払先は保証会社、解約通知は貸主
  • 住居と駐車場で解約通知の提出先が異なる
  • 管理会社が契約途中で変更されている

仲介を依頼した不動産会社が、その後の物件管理を行っているとも限りません。

契約書、更新案内、入居者アプリなどで現在の管理会社と提出先を確認してください。

住居以外の契約も忘れずに

住居を解約しても、関連サービスが自動的にすべて終了するとは限りません。

別途手続きが必要になる可能性があるものには、次のような契約があります。

  • 駐車場
  • 駐輪場
  • トランクルーム
  • インターネット
  • 火災保険
  • 24時間サポート
  • 電気・ガス・水道
  • 定額制の生活サービス

特にインターネット回線は、撤去工事が必要になる場合があります。工事日の予約が取れず、明渡し日までに間に合わないケースもあるため、早めに確認しましょう。

貸主が設置したインターネット設備を、借主の判断で撤去しないよう注意も必要です。

退去立会日は早めに予約

引っ越しが集中する時期は、退去立会いの希望日時が埋まりやすくなります。

特に次の時期は注意が必要です。

  • 2月から4月
  • 月末
  • 土日・祝日
  • 大型連休の前後

引っ越し業者を予約しただけでは、退去立会いの予約は完了しません。管理会社の営業時間や立会い可能時間も確認しましょう。

立会いを行わない物件では、鍵を郵送または返却ボックスへ返す場合があります。その際も、いつの時点で明渡し完了となるのかを確認することが大切です。

鍵はすべて返却する

退去時には、契約時に受け取った鍵や、その後に追加で渡された鍵を返却します。

  • 玄関の鍵
  • スペアキー
  • オートロック用の鍵
  • カードキー
  • 郵便受けの鍵
  • 宅配ボックス用カード
  • 駐車場ゲートのリモコン
  • 借主が複製した鍵

鍵を紛失している場合は、退去直前ではなく、分かった時点で管理会社へ連絡しましょう。

鍵の不足によって、交換費用などが必要になる場合があります。

荷物が残っていると明渡しが完了しない可能性も

退去日までに、室内・バルコニー・収納・共用部分から私物をすべて搬出します。

忘れやすいものには、次のようなものがあります。

  • 物干しざお
  • 自転車
  • 照明器具
  • カーテン
  • エアコンのリモコン
  • 収納内の小物
  • 宅配ボックス内の荷物
  • 駐車場のタイヤ
  • 借主が設置したインターネット機器

不要品をゴミ置き場へ置いただけでは、処分完了にならない場合があります。粗大ゴミは自治体による回収予約が必要なことが多いため、早めに手配しましょう。

なお、入居時からあった設備や残置物は、勝手に処分せず管理会社へ確認してください。

原状回復費用を敷金から支払えば、最後の家賃は不要?

敷金を預けている場合でも、最後の家賃を敷金から差し引いてもらえるとは限りません。

国土交通省の賃貸住宅標準契約書では、借主は明渡しまで敷金を賃料などと相殺できないというモデルが示されています。敷金は、明渡し後に未払い賃料や原状回復費用などを精算したうえで返還される仕組みです。国土交通省「賃貸住宅標準契約書」

「敷金を払っているから、最終月の家賃は振り込まなくてもよい」と自己判断しないようにしましょう。

退去通知前のチェックリスト

契約と費用

  • 解約予告期間を確認した
  • 指定された通知方法を確認した
  • 家賃が日割りか月割りか確認した
  • 短期解約違約金の有無を確認した
  • 更新料が発生する時期を確認した

日程

  • 新居の審査や契約が確定している
  • 新居の契約開始日を確認した
  • 現在の部屋の契約終了日を決めた
  • 引っ越し日と明渡し日を整理した
  • 退去立会いを予約できるか確認した

関連する手続き

  • 駐車場などの別契約を確認した
  • 電気・ガス・水道の停止日を検討した
  • インターネットの撤去工事を確認した
  • 火災保険の解約方法を確認した
  • 粗大ゴミの処分日を確認した
  • すべての鍵を返却できるか確認した

引っ越し日より先に契約書を確認しましょう

退去手続きで大切なのは、引っ越し日だけでなく「いつ契約が終了し、いつ明渡しが完了するか」を整理することです。

解約予告期間や家賃の精算方法は物件によって異なります。同じ管理会社でも、契約ごとに条件が違う場合があります。

ピタットハウス神宮南店では、新居探しだけでなく、現在の住まいの解約時期や家賃が重なる期間についても一緒に整理いたします。

「いつ解約通知を出せばよい?」「更新前に退去するにはいつまでに新居を決めるべき?」といった疑問も、どうぞお気軽にご相談ください。

次回予告

次回は「退去時の原状回復費用はどこまで借主負担?」をテーマに、通常損耗・経年変化と借主の不注意による傷や汚れの違いを解説します。

入居年数によって負担の考え方が変わる理由や、「クリーニング費用を支払えば、どんな汚れもそのままでよい」とは限らない点など、退去精算で誤解されやすいポイントもご紹介します。

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